JUDOが結ぶ世界平和

山本信明



 国際交流基金及び講道館の派遣により柔道を普及するということで、1970年のポルトガルを皮切りに五大陸、数十カ国にわたり指導を行ってきました。
 柔道着も畳も充分とは言えず、その国で作られた空手着ようの薄いものや、体操用のマットを使用して指導してきました。そんな中でも選手たちは正しく柔道を学び、順調に育ち、恵まれぬ条件の中でもオリンピックや各種国際大会において活躍する選手を多数育てて参りました。そして若い人たちに大いに夢と希望を与え、その普及、発展は目を見張るものがありました。
 特に1984年のロスオリンピックにおいて、怪我をした山下選手の足を敢えて攻めず正々堂々と戦い銀メダルを獲得し、後に特別フェアプレイ賞を得たエジプトのラシュワン選手と山下選手との決勝戦での戦いは、感動の名勝負として今も多くの人々に語り継がれています。

 世界中で開催されている国際大会へ出場のために柔道着一式、参加費、飛行機等の交通費をはじめ、それに付随する諸経費を含めて支援を行っています。その他にも現地では調達できない什器備品や稽古場に敷く畳も日本から現地へ送っています。それらの年間費用は多額にのぼります。

 アラブの春の勃発後、支援をしていた国情が激変しました。特にエジプトは革命後の情勢が悪化し、混迷が続いています。そのような状況下ですので練習施設の確保もままならない状態が続いています。
 それでも『柔道』という絆で結ばれている彼らは、時には銃弾を避けながら稽古に励んでいます。
 経済が混迷を続けている状況下で、国からスポーツ選手に充てられる資金は減少の一途を辿り、彼らは国際大会への出場は困窮を極めています。
 柔道、スポーツに国境は存在しません。また人種差別も存在しません。いまや『JUDO』として世界中の人気スポーツとなっております。世界平和はスポーツから、という信念のもとに、これまでは賛同者の方々からのご支援のおかげでなんとかサポートしておりますが、選手たちを取り巻く環境は困窮を増すばかりです。

 柔道で紡いできた絆は、現役を引退した選手たちとも固く結ばれていて、良好な国際関係の一助となっております。各国への支援は日本で生まれた柔道が潤滑油となり、紛争のない平和の礎となると信じて今後も継続していきます。

 ご賛同を頂きました寄付金は、世界各国の団体、選手へ送金させて頂きます。緊迫した政治状況の中、柔道やスポーツ全般に夢をかける選手たちのため、それが世界平和の礎になると信じています。皆様からの温かいご支援のほどを何卒宜しくお願い申し上げます。


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